続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
誰も居ない真っ暗な玄関を開けた途端、涙は勢いづいて瞳から零れ落ちた。
そのまま座り込んで膝に顔を埋めたら、カーキ色のマフラーから善雅くんの匂いがして余計に哀しくなる。
善雅くん、すごく哀しそうな顔してたな。
わたしがあんなこと言っちゃったから善雅くんを傷付けてしまったんだ……。
玄関の扉が開き真っ暗だった玄関に不意に光が差し込んできた。
ゆっくりと扉が開くのと同時に顔を上げると、
「……やっぱり喧嘩したか」
駅から戻ってきた蒼ちゃんと葉琉ちゃんが居て、心配そうな顔でわたしを見下ろしていた。
「善雅くんに聞かれたんだって? 蒼汰が彼氏なら良かったのにって言ったの」
呆れた顔した葉琉ちゃんがわたしの前にしゃかんで、持っていた手袋で涙をぐりぐりと拭ってくれる。
「ホントはそんなこと思ってないよ……」
「わかってるって。蒼汰より善雅くんのが男前だもんね」
「……葉琉日、おまえなぁ」
カラカラと笑う葉琉ちゃんの後ろで、腕組みをして扉にもたれ掛かってた蒼ちゃんが呆れたようにため息を漏らしてる。