続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
あまりに呆気なくて拍子抜けしてる俺に構わず、相沢はスタスタと足早に校舎の方へと戻って行く。
「……俺を行かせていいのかよ」
俺と日菜琉が釣り合ってないって言い続けてたのは他でも無いこの相沢だ。
事あるごとに恨みがましい目で別れろって催促してきてたような奴だ。
相沢にとって今の状態は別れさせる絶好のチャンスなはずなのに……。
「勘違いしないでよ。わたしは今でも有宮くんより日菜に相応しい人が居るって思ってる」
足を止めて俺を振り返った相沢の表情はいつも通り厳しい。
「でも」
「…………」
「日菜を笑顔に出来る人は有宮くんしか居ないのよね……すっごく不満だけど」
ポツリと呟かれた声は一瞬、聞き間違いだったんじゃないかってくらい相沢らしくなくて。
反応も出来ずただ立ち尽くす俺を一瞥した後。
心底嘆かわしげに盛大な溜め息を残して相沢はまた、校舎の方へと足を進めて行ってしまった。