続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
「目、真っ赤じゃない……」
「えっと……あはは」
善雅くんと喧嘩した次の日の朝。
お休みするってメールを入れたら、心配した芹華ちゃんは家まで様子を見に来てくれた。
顔を合わせるなり。
昨日泣いて目を擦り過ぎたせいで赤く腫れてしまったまぶたを見た芹華ちゃんの顔が険しくなっていく。
……笑ってごまかそうとしたけど、やっぱり芹華ちゃんには通じないか。
「有宮くんでしょ? なんかされた?」
「されたとかじゃないよ……ただ喧嘩しちゃって」
「喧嘩?」
「……うん。最近すれ違い気味だったし、お互いになんか誤解しちゃってて」
ポツポツと喧嘩のことを説明していくわたしに、芹華ちゃんは黙って相槌を打った後、
「……で。お弁当は?」
「えっ?」
「どうせ作ってるんでしょ? 喧嘩中でも」
やれやれって溜め息をついて、にっと小さく笑いかけてくれる。
それに答えるように頷いて、わたしはキッチンにカーキ色のマフラーとお弁当袋を取りに行った。