続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
仲直りとその後に……
切れた息を整えるように深呼吸を二、三回繰り返す。
目の前には一枚の扉。
この扉の先に……日菜琉が居る。
日菜琉はどんな顔で俺の前に出て来るんだろうか……。
怒ってる?
弁当を作ってくれた感じからしてこれは無いか……。
だったら、泣いてるとか。
……これは勘弁して欲しい。
日菜琉の泣き顔は昨日ので十分だ。
でも、これが一番可能性が高い。
相沢もいつまで哀しい顔させるつもりとか言ってたし……。
らしくもなく震える指でインターホンを押してから十秒弱。
応答が無いことを危惧して頭の中でグチャグチャと不安が渦巻いてた。
出来れば泣き顔はやめて欲しい。
せっかく相沢にもらった自信が吹っ飛びそうだから。
なんて思いながらもう一度深呼吸……ていうか溜め息に近いのが出た瞬間。
「善雅くんっ」
バタバタと慌ただしい足音がしたと同時に勢い良く玄関の扉が開いた。
そこから出て来た日菜琉の顔は、怒っても無ければ泣いても無い。
立ち尽くす俺を驚いたように見つめた後、
「来てくれたんだね」
いつも通りの顔でにこっと笑いかけてきた。