冬城町新年会2009→2010
対する姫羅木さんも、焦りの色は隠せなかった。

「まいったのぅ…わらわは日ノ本どころか、東洋でも最強の人外だと自負しておったのじゃが…世界は広いのぅ…西洋にはこれ程の人外が存在するのか…」

互いに空中で対峙したまま、睨み合いが続く。

どのくらい、そうしていたのだろうか。

「止むを得ないわ」

ふと。

紅霊が呟いた。

「このまま貴女みたいな強大な人外を放置しておく訳にもいかない…貴女だって私をこのまま逃がすつもりはないでしょう?」

そう言った紅霊の右手に、氷の剣が発生する。

彼女はその切っ先を、あろう事か、自らの胸にあてがった。

「見せてあげる。私の命を懸けた最大の禁呪…貴女に死の門を潜らせてあげるわ」

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