冬城町新年会2009→2010
ややこしくなってきたので、俺が話を取りまとめる。

つまり、この紅霊はシュナ兄の恋人で、数百年前に日本に渡ってきた稀代の魔女。

そしてシュナ兄と俺は親戚筋。

姫羅木さんは、シュナ兄の連れてきたこの魔女を、災いをもたらす紅霊だと勘違いし、一方的に戦いを挑んでしまったという事なのだ。

「やれやれね」

魔女が長い黒髪を片手で払いのけて溜息をつく。

「お稲荷様の早とちりで、今年も騒々しくて散々な年越しになっちゃったわ」

「む?」

姫羅木さんが狐耳をピコンと立てる。

「『今年も』とはどういう事じゃ?」

「…こっちの話よ…」


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