冬城町新年会2009→2010
真相が分かれば、最早魔女と姫羅木さんが争う理由はない。

「うお、寒っ」

シュナ兄が体を震わせた。

「年に一度しか帰ってこないけど、相変わらず冬城は寒いな…外にいたら凍えそうだ」

「そうじゃろうの…都会育ちの人間には、ちと堪える寒さかもしれんの…こんな時は千春の作るきつねうどんで温まるのが一番じゃ」

そう言った姫羅木さんの四本の尻尾が、甘えるように俺にまとわりつく。

「千春!わらわはきつねうどんが食いたい!作れ!作ってたもれ!」

「あー…はいはい」

全くこのお稲荷様は…。

苦笑いしながら俺は歩き出し。

「シュナ兄と…そっちの魔女さんも一緒にどうかな?」

振り向いて問いかける。

< 24 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop