読んだら死ぬ 本
「もしもし、笹川さんのお宅ですか。凸凹図書館です。笹川剛さん、いますでしょうか」

私は、素知らぬふりで話しを始めた。

「はい、笹川ですが、剛は…先日亡くなりまして…どのようなご用件ですか」

「すいません、そうでしたか、お亡くなりに。あの〜、本を一冊返却お忘れのようでして」

「そうでしたか、申し訳ありません。どのような本ですか」

「題目は‘シボウ’という本です」

私はどうしても、その本が見たくなり、その日の仕事帰りに笹川邸へ伺う約束を取り付けた。

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