恋物語
別々
今は友達の舞とクラス表を見ています。
「まっずはー、晶の名前をっと♪」
「いやいや、……何故?」
呆れたような舞の顔にも気付きもせずに目をハートにしながら晶の名前を探すひかる。
「おんなじクラスだと嬉しーからっ♪ていうか、リサーチみたいな?」
「聞かれましても……、意味わかんないし。」
「え?一緒に探してくれるの?」
「……。(耳鼻科行け。)」
そう思いながら自分の名前を確認しようと目を動かしたところでひかるの声が聞こえた。
「……ない、どこっにもない!」
顔を青くして手で口を覆っているのは結構な怖い顔だ。
「高橋くんの名前ないの?」
ありもしない疑問をひかるに問うと首を振る。
「ち……がう。晶のはあるんだけど、あたしの名前が……何処にもない~っ!」
「……え!?まさか本当は受かってないの!?どっかの間違いで、」
そういう冗談を言ったら涙を流すひかる。
「ひーどーい~(涙)」
る~と、効果音がつきそうな感じで泣く彼女に じゃ、どういう意味かと聞くとなんともバカな返答が返ってきた。
「晶のクラスの表にあたしの名前がなかったの~。横のクラスにもないし~」
「横って……まだ3クラスしか見てないんかいっ!」
呆れながらも一緒にひかるの名前を探してくれる舞。
苦労人というレッテルが貼れそうなぐらいだ。
「あ、あったよ。ひかるちゃんの名前。…………3組に。」
哀れみを込めたようにひかるのクラスを言う。
何故なら、晶のクラスは7組だからだ。