恋物語
駆け出す
学校に慣れてきてもう2ヶ月半。
今は授業が終わるまで後5分。
今日は部活に入った晶と久々にはやく一緒に帰れる日だった。
いつもじゃないけど、たまに部活がない日がある。
そんなときは晶がメールで教えてくれるのだ。
時計をちらっと見ると後3分。
この時間ジャストに教室から出なければ危ないことになる。
仮説だが、もし間に合わなくて違う女子が晶に声をかけたりしたら……あああ危ない!!
そんなことをいつも思いながら、はやくに帰れる時は猛ダッシュなのだ。
10秒
3秒
2秒
1秒……
キーンコーン……
ガタッ
音がしたほうにみんなが振り向くがそんなことは気にせず去っていく彼女。
「え、……こらまたかっ、守山!チャイムはなったがHRはまだ終わってないんだぞっ!」
担任の声は無視をし、走るひかる。
「ごめんっ!先生、一大事なんです~」
「この前も一大事だっただろーがあっ!
……って、聞けコラーっ」
担任の声は既にもう聞こえなかった。