女王様はメイド様?!①【完】

いつのまにかあたしはさっきいた部屋とは比べ物にならないくらいの広い部屋に来ていた。



さっきの部屋も広かったけど


この部屋はひ、広すぎる!


部屋は全体的に白と黒で統一されていて


とても落ち着いた部屋だった。




たぶんここ……


奴の部屋…だよね?


だって寝室っぽいし、


それになにより目の前にある大きなダブルベッドがそれをものがたっている。






「なによ」


奴はあたしのからだを
上から下までじーっくりみてきた。


「上出来。」



ひとこと言ってフッと笑った。



不覚にも見たこともない笑い方にあたしはドキッとしてしまった。



「こっちこいよ…」


「なんで?」


奴はベッドの上に手をおいて
ポンポンっとたたいてこっちへ来いと…





ええっと…



この状況って非常にまずくないですか?



このときあたしは初めて操の危機を感じた。



一歩一歩もと来たドアへ後ずさりした。


この部屋から出ないと絶対にやばい!



確実にあたしやばいってこの状況っ


いろんなドキドキを抱えながらも



逃げ出す対策をたてていたあたしは
近づいて来る影に気づかなかった。




「きゃあっ」


ドン





気づけばあたしの背中にはふかふかのベッドの感触。



そしてあたしの上に馬乗りになる王子…



なんかこんなシーン昨日見たマンガにあったな~


あたしの頭はこんな状況でも
止まらず妄想フル回転。




これって押し倒されてるよね?






でも王子かっこいいなぁ


なんて…




呑気なあたし。






いいえ、あたしの前にいるのは王子ではありません。


王子様はお姫様に馬乗りになったりしません。







うん。たしかにそーだ。




納得。




< 58 / 388 >

この作品をシェア

pagetop