Fairy Garden〜妖精の庭〜
"まずはデーダを誘いこむんだ"
僕はアレンに言われた通り、デーズ川を越えて東のレイズ側へ来た。
注意しながらレイズとライズを結ぶ橋を渡った。
僕はレイズの連中に見られないように走った。
用心深いキアラの事だ。
川に見張りがいてもおかしくない。
僕は渡りきると急いで左手にある暗い路地に身を潜めた。
どうにかレイズの奴らに姿を見られなかったようだ。
「ふぅ」
僕はゆっくりと安堵の息を漏らした。
確かデーダはいつもこの時間帯にこの辺の果物屋に寄るはずなんだけど…
僕はキョロキョロと周りを見渡した。あくまで壁から覗くようにだ。