Fairy Garden〜妖精の庭〜
すると遠くの角からデーダらしき奴がこちらへ歩いてくるのが見えた。
来た!!
僕は急いで持っていたカゴから大きな眼鏡とエプロン、頭巾を取り出した。
それらを急いで着る。
そしてひらひらのフリルがついた女物のエプロンを着ている自分を見て僕は急に不安になった。
これで僕だと本当に分からないだろうか。
少々やりすぎではないだろうか、とアレンに不満げに聞いた僕だったが、
「あいつはバカだからスカート履いてる奴はみんな女だと思うさ」
と軽くあしらわれた。
いくらデーダでもそこまでバカじゃないだろう。
僕はやはりその言葉には納得がいかなかったが、アレンを信じてみる事にした。
――まぁどうにかなるだろう。
僕は近づいてくる足音を聞きながら、壁に背を向け、デーダを待った。
そして頃合いを見て路地から出る。