Fairy Garden〜妖精の庭〜
1,一人の親友
この街は本当にいい所だと思う。
それは小さい頃からこの街の事を嫌いになった事なんてなかったから言える事だった。
生まれた時からここにいる僕は普通の家庭で、友達のいるどこにでもいる子供だ。
大した特技はないし、自慢できるような事もほんの少ししかない。
例えば、あのよく子供を叱っている近所でも有名なハゼじいさんの家からりんごを盗むことに成功しただとか、
街の子供たちの中で一番、大きな魚を釣った事があるなど。
みんなはほかにもたくさんの自慢を持ってる。
ぼくはまだまだ少ない方で、友達のシンザなんて数えきるれないほどたくさん持っている。
シンザの家は街一番のお金持ちだから仕方ないんだけど。
だからあいつはいつも家のお金で使った事を自慢してくる。
それがしつこくて結局、誰もまともには聞いてない。
それに気づいてない本人はずっと喋り続ける。
まったくあいつの口が塞がるとこを見てみたいものだ。