Fairy Garden〜妖精の庭〜
水の都と呼ばれるこの街だけど、都というほど大して発展している都市ではない。
ただしほかの町や王国などとの貿易は盛んだった。その理由は水の都と呼ばれる由縁でもある。
街には水路がいくつも通っていて、それは街のおよそ七割にも及ぶ。
そのためきちんとした地面というものよりは水路の方が多いのだ。
そうなると交通手段も変わってくる。
馬車ではなく小舟を持つ者はこの街では少なくない。徒歩で橋を渡るよりも舟で移動する方が早いのだ。
また海のすぐ近くの港町でもあるため、漁業も盛んだ。毎日朝から市場が開かれ、新鮮な魚や海藻が売られている。
毎日街は明るい漁師たちの競り声であふれていた。