君へ。

No.17

―心の奥に

穴が開いた私は

自分自身に刃を向けた。

































「凛、顔色悪いで?」

「そう?」

「保健室行った方がええんちゃう?」

「ほんま?」

「行った方がええって。」

「杏がそう言うなら、行ってみる-」

























いつもと変わらない朝。

そう思っていたけど

私の身体は、

壊れかけていたみたいだ。































「ちょ、凛!?」

「あ、ん・・・?」

「しっかりしぃや!」


























聞こえるのは、

優しい杏の声。

大好きなその声は

だんだん遠ざかってゆく。












「あれ・・・?」

「あ、目覚めた?」

「なんでうち、病院におるん・・・」

「凛 教室で倒れたんよ」

「嘘やん」

「ほんまに。」

「・・・・・」

「先生が、もう少しでパソコン依存症になるところやったって言っとったで。」

「そっか・・・。」
























自分の身体が

壊れ始めているとは

全く気付かなかった。

否、気付こうともしなかった。


























「しばらく入院やって。」

「・・・ありがとう、杏。」

「全然ええよ。」

「まだ傍におってくれる?」

「ん。傍におるから、寝た方がええ。」

「おん・・・」

















ごめんね、と

君と自分自身に

今 謝りたい。
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