君へ。
No.27
―大丈夫。
もう泣かないから...
もう逃げないから...
「陸の事が、好き」
流れる沈黙。
その雰囲気に耐えられなくて
涙が出そうだったけど、
上を向いて堪えた。
「それ、ほんま・・・?」
「・・・おん」
「俺、嬉しいんやけど。」
「・・・へ?」
陸の口から出た
予想外の言葉。
頭が真っ白になって、
思考の回転が止まる。
「凛・・・」
「え?」
「もう1度、初めからやり直そうや。」
そう言った陸の声は
優しくて、温かくて
我慢していた涙が
瞳から零れた。
「ええの?」
「やって、俺も凛のこと好きやもん。」
「・・・あ、照れとる!」
「う、うるさいッ///」
もう幸せなんて
掴めないと思っていたけど
今、本当の幸せを掴めた。