君へ。

No.28

―もうこれ以上

何も望まない。

君が傍に居てくれるから...























「陸、ごめん」

「どないしたん？」

「これから検査あんねん。」

「検査かー。ほな後で電話してくれる？」

「おん。ええよー。」

「じゃあ後でな。」






















電話を切って

携帯を閉じる。

嬉しくて、幸せで、

一人で笑ってしまった。



























「凛さん、おはよう。」

「あ!おはようございます。」

「凛さん今日は明るいなぁー」

「そうですか？」

「何か良い事あったんやろ？」

「へっ!?」

「おばちゃんには分かるで（笑）」






















看護師さんが

点滴を打ちながら、

私の額に

軽くデコピンをする。






















「彼氏、出来たんやろ？」

「ち、違いますよ!!」

「その表情は恋してる乙女の表情やもん!」

「何ですか、それ（笑）」
























こんなに笑ったことなんて

１回も無かったから

なんだか、

倍 喜びが溢れてくる。
























「さ、検査行こか？」

「はい!!」


























こんなに

明るくなれたのも、

君のおかげかもしれない。