君へ。
No.37
―ねぇ、
どうして病気は
大切な君を選んだの?
「り、陸?」
「・・・ッ」
「どうした、ん?」
握られていた手に
冷たい雫が
ぽたり、ぽたり、と
落ちてくる。
「死にたく、ない・・・」
「陸・・・」
「やっぱ死にたくないよ・・・」
「・・・・」
止まること無い
君の涙は
真っ白なシーツに
痕を残した。
「大丈夫やから・・・」
「・・・・」
「陸は、生きられるから・・・」
透明な涙は
私の心に沁みて
乾いてはくれない...。