君へ。
No.39
―病気は
大切な君も、幸せも、
全て奪って行ってしまう。
「初めまして。」
「初め、まして・・・」
「陸の祖母です。」
陸の病室の前で
ボーッとしていると
陸に良く似た女性が
話し掛けてきた。
「凛さん、ですよね?」
「・・・はい」
「急に話し掛けてごめんなさいね。」
「全然、大丈夫です。」
陸のおばあさんは
少し苦笑いをして
私の隣に
腰を掛ける。
「お願いが、あるんだけどね。」
「何でしょうか?」
「凛さんには悪いと思うんだけど・・・」
おばあさんは
私の目を直視して
冷めた表情で
たった一言、喋った。
「陸と、別れて下さい。」