君へ。
No.45
―ありがとう。
愛してくれて、
傍に居てくれて。
「・・・・」
腫れた目を
隠すようにメイクをして
真っ黒な礼服に
初めて袖を通した。
「おはよ。杏。」
「おはよ。」
「ちょっと、陸のとこ行って来る。」
「おん」
お葬式の会場は
陸の友達や同級生で
埋め尽くされている。
「陸、おはよ。」
「陸は幸せやな~。友達いっぱい来てくれとるで。」
棺の中で眠る
子供のような陸は
幸せそうに、
微笑んでいた。
「陸、ありがとうな」
「愛してくれて、ほんまにありがとう。」
私は
君に愛されて
とても幸せでした。