君へ。
No.46
「陸、行ってもうたなぁ」
「凛・・・」
「あの人、幸せやったんかな?」
煙突から
漂う白い煙。
陸がまだ
居るような気がする。
「幸せやったと思うで。」
「ほんま?」
「凛にたくさん愛されてたんやもん。」
「・・・そっか。」
「凛はさ、」
「ん?」
「陸君の事、愛してたやろ?」
不思議そうな顔をする
杏の隣で
私は少し笑って
青く澄んだ空を見上げた。
「愛してたし、」
「今でも、愛してる。」
そして、これからもずっと。
END.