遥か

DAIKI


DAIKI







「それでは第53回、入学式を終了します。新入生起立。」

俺ら新入生は座っていたパイプ椅子から立ち上がった。雑音だけが聞こえる。誰も話すやつはいない。なぜなら知ってるやつなんてお互いだれもいないから。それが高校の入学式だった。中学の時は同じ小学校出身のやつとこそこそ話してたりしてた。


これから俺は新しい友達をつくっていくだろう。

そしてバカして

恋愛もするかもわかんねぇ

まぁ、まだ未経験だけど。俺、基本女子に興味がないから。

兄弟も兄貴しかいないし、今は兄貴と2人で暮らしてるから、なおさら。女子っつーものが分からない。


「一同礼。」

俺は深くお辞儀をしてまわりを見渡した。

一気にざわざわとする。

「新入生はこのあともう一度それぞれの教室に戻ってHRをします。2、3年は担任の指示に従って教室に移動してください。」

司会者がそういい終わると一斉に周りのやつらが動き出した。

「ふぁ~。」

眠い。

入学式って話聞くだけでつまんないから俺的に最悪な時間。だから終わって解放されたことがすげー嬉しい。

まじ疲れた。

あくびをした俺は適当に周りのやつらについてった。












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