遥か
教室。
教室にはいると暖房で暖まった空気が俺の体を包み込んだ。
あったけぇ。
「おい。」
誰かが俺に話しかけてきた。
「何?」
「名前なんつーんだよ。」
そいつは俺をじろじろと見てくる。
「中村大輝。」
「まじで。聞いたことねぇ。」
俺はなんだかむかついた。
「んだよ、お前。」
「あ?」
「お前の名前は?」
俺は感じ悪そうな顔するそいつに聞いてみた。
「梅林翼。」
梅林翼。
見た目と名前がすごく合う。
ヤンキーみたいな。
「で、どうして俺に話かけたわけ?」
俺はそいつと目が合う。
「お前の髪型気に入った。」
そう言ってそいつは俺の栗色の立った髪を見る。
「まじで。俺もお前の嫌いじゃねーよ。」
そう言って今度は俺が梅林のボサボサの金髪を見た。
梅林はふいた。
「ま、俺的にはボサボサよりスパイキーにした方がかっこいいと思うけど。」
「オメー。あとでタイマンするか?」
「別にいいけど。」
俺はそう言い捨て先生が教室に入ってきたのに気づいて、自分の席に向かった。
「ざけんな、中村。」