誘拐犯瞬くんの日記
暗い暗い過去
「おじゃましましたーっ」
「ばいばい涼ちゃん!」
「また明日ね〜」
ばたんっとドアがしまる。
タクシーをつかまえるために大通りに出ることにした。
昼間よりも少し涼しい夜。
なかなかタクシーはこない。
それにしても瞬のやつが家に俺以外の人入れるなんてびっくりだ。
俺の知る限り、あいつは俺と犬以外を家に入れたことがない。
柴田さんはあいつの家に来ることもないし、どんな女にせがまれても家に入れることはなかった。