誘拐犯瞬くんの日記
「あ、もうこんな時間か……。あたし帰るね」
「あれ? 泊まってかねーの?」
「寂しいの?」
ニヤッと笑って俺の顔を見てくる。やめてほしい。
「別に……」
「ふふっ、ごめんね、明日仕事早いんだ」
服を着て、鞄を持って玄関に向かう。
「送るよ」
「いいよタクシーで帰るから。あたしバイクの二人乗り嫌いなの」
「あっそう」
「じゃーね」
「おー」
ドアが閉まって、静かになる。
……年上の女はなんだか余裕があっていいね。