誘拐犯瞬くんの日記
はっとして唇を離す。
「あ……ごめん」
ウミちゃんはびっくりしてるみたいで、何も言えないでいる。
「ウミちゃんが嬉しいこというから思わずちゅうしちゃった」
笑ってみせる。
ウミちゃんは頬をピンクに染めて俯いた。
「俺のこと好き?」
「……」
黙って頷くウミちゃん。
嫌だよ。
ウミちゃんがいなくなるのは嫌だ。
考えたくない。
また泣きそうになる。
涙を流すことなんか、ウミちゃんに会うまで忘れてたのに。