【完】キスミーアゲイン
「…昴と巧に何を聞いた?」
ユキさんの鋭い視線が私を捕える。冷たい表情をした、やくざの顔。
ゾッとするようなユキさんの視線に、思わず一歩後ろに下がった。
ユキさんは相変わらず私を見つめたまま、私に一歩近付いた。
距離が少し縮まった。
ユキさんは私に触れようとはせず、ただ私を見ていた。
その視線が、すごく怖いんだけど。
「…。 『カオリさん』という彼女が、昔居たってことだけです…」