【完】キスミーアゲイン
「コーヒー、ありがとな。さっきちゃんと言えなかったから」
「…え、あ、ハイ…」
「あと風呂、さっさと入れよ」
「は、はい」
ユキさんはそれだけ言うと、スタスタとリビングの方に歩いていった。
ドクドク、といつもより速く動く心臓を感じながら、私は立ち尽くしていた。
…ユキさんの声に、仕草に、全てに、ドキドキした。
驚いたから脈が速くなったのもあったかもしれないけど、…私はユキさんにドキドキしていた。