あ。俺、重症だ。

「へぇー。みんなの王子様は女嫌いか。」


「王子様って…」


「聞いたぞー、小野寺翔って言う有名人がいて、学校中の女の子の人気をかっさらってるって。」


「…そんな話誰に聞いたんですか?」


「弟。九条聖夜。あと、斗真も大樹も言ってたな。大人気だね、猫ちゃん。」


「やめてくださいよ。そーゆーの、苦手なんで。」


「ごめんごめん。あたしもさ、もて囃されるのって苦手なんだよね。猫ちゃんと一緒。」




手すりに寄りかかり、キャンプファイアを見つめる日向先輩が呟いた。




凛としているが、少し寂しそうな横顔に鼓動が速まる。





なんか……今なら、告えそうな気がする。




「あ、あの、日向先輩……!」


「ん?な…」


「「「イェーイ!!」」」




ばんっと扉が開いて部長、斗真先輩、絵美先輩が飛び込んできた。




……空気読んでくださいよ先輩方。




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