あ。俺、重症だ。
卒業式当日。
長い式辞や祝辞があったものの、感動の中で卒業式は幕を閉じた。
このあと、バスケ部で集まって、最後のお別れ会をやるらしい。
写真撮影とか、お別れの言葉とか。
集合場所へ向かうと、号泣の部長とそれを笑いながらもウルッときてる斗真先輩が既に来ていた。
「翔ーー!!」
部長が抱きついてきた。
「部長!卒業おめでとうございます!
鼻水つけないで下さいね。」
「……ひどい…最後くらい……」
また号泣し始める部長の頭をヨシヨシと撫でてあげる。
「最後まで大変だな。」
「あれ?斗真先輩は、泣かないんですか?」
「…お、オレは、やっと卒業できて喜びで一杯なんだよ。泣く理由がないだろ?」
なんて言いながら、泣くのを我慢する斗真先輩。
プライドが許さないんだろうな……