あ。俺、重症だ。
「何?あんま堂々と1年の教室に入ってくんなよ。」
恥ずかしいので。
「…じゃあ、お前は濡れて帰りやがれ。あたしは車で帰るから。」
ヒラヒラ手を振って帰ろうとする日向。
「すみません。俺も車に乗せてください、日向様。」
「棒読みか、コラ。20分後に昇降口前。来なかったら置いてくからね」
それだけ言って帰ってしまった。
教室に戻ると、すごい勢いで翔に捕まった。
ひたすら怪しいテンションの高さだ。
何故、日向の名前を聞いたんだ?
謎な翔をスルーして、トイレ掃除へ。
終わって教室へ行くと、未だ謎なテンションの翔がそこにはいた。
話を聞こうと思ったが、日向の指定した時間まであと3分を切ろうとしていた。
日向の場合、20分と言っても18分で居なくなる可能性は大いにある。
急がなければ、雨の中自転車を漕ぐ羽目になる。
それだけは避けたい。
なにか言おうとした翔を遮り、昇降口へ急いだ。