あ。俺、重症だ。
聖夜が声をかけると、眠たそうな目がゆっくり開いた。
「…とーま、ありとぅ……バイバーイ…」
あーあー。
全く。
ここまでの15分間、我慢したってのに。
ちゅっ
「とーまさん、弟の前でそーいうこと堂々としないでくださいよ。」
「デコぐらい許せ。どーせこいつ覚えてねーんだし。あ、翔にも言うなよ。あいつ、打たれ弱そうだから。」
確か、聖夜と翔は仲良しだった。
「わかってますよ。それじゃ、気をつけてお帰りください。」
「はいはい。じゃ、そいつ頼んだぞ。じゃーなー。」
……ふぅ。
あいつに彼氏とかできたらこの役も取られんのかな……
はぁ……
なんか、寂し。
fin