あ。俺、重症だ。


次の回が始まる直前、廊下で悲鳴が上がった。


リアル事件かと思った探偵ホームズはそっと廊下を覗き込んだ。



………はいはい。

悲鳴の原因は某クラス人気ナンバー1の執事様。


只今ファン数うなぎ登り中の九条日向。

奴がやってきたらしい。



どーりで、黄色い悲鳴が鳴り止まないわけだ。



「あ。」


ドアの隙間から覗く俺を目敏く見つけた日向がコッチに近付いてくる。

いや、見つけてもらって嬉しいけどさ。


ドアに手をかけ、開けようとするから必死に抑える。



「お客さんはまだ入れませーん。説明聞いてから。」


「遊びに来たよー!」


声は楽しそうなのに顔が…ひきつってる。
グッと力を込めて開けようとする執事。



「いやだからね、説明き…」


「囲まれてんの。ウザいの。香水臭いの。助けろ馬鹿。」



俺の言葉を遮って聞こえたのは、不機嫌な毒舌。

相当キてるねこりゃあ。




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