あ。俺、重症だ。
しゃあねーな。
「一瞬で入れよ。」
「わかってる。」
人が入れるギリギリの隙間を開けてやると、スルリと入り込む日向。
その後ろでピシャリとドアを閉めてやる。
「はぁー……疲れた。」
「人気執事様は大変だな。」
「もうヤダ。」
「そう言うなって。高校最後の文化祭だぞ?それもあと数時間で終りだ。」
「最後くらいゆっくり文化祭を楽しみたかった。」
人気執事は休む暇も遊ぶ暇も無いらしい。
「と、斗真くん?そろそろ次の回始めないとなんだけど…」
クラスの女子が後ろから遠慮がちに話しかけてきた。
時間か。
「日向、お前が人気なのは今に始まったことじゃないから諦めろ。それと、文化祭楽しめてないなら、俺のクラスで楽しんでけ。」
「え、諦めろって。」
「ほら、始めんぞ。開けるからそこどけ。」
こっちだっていろいろ忙しいんだ。