あ。俺、重症だ。
「あ、日向!」
「なーにー?」
肩を組まれて、飛びきりの笑顔がこちらを向く。
「お前さ、今、気になってる奴居んだろ?」
「…は?何言って…」
「小野寺翔。」
…こいつって奴はなんでこう、分かるのかな。
「文化祭くらいからか?」
「なんで知ってんだよ…」
「俺、これでもお前のことよく見てるから。」
「誰にも言ってねぇだろうな?」
「もちろん。親友の恋を邪魔しようなんて思ってない。」
「こッ、恋とか、言うなー!」
ゴンッ
「いってぇー!何すんだ馬鹿っ!」
「馬鹿はお前だ馬鹿っ!!」
そしていつものようにアホらしいケンカが始まり、うんざりした学年主任が止めに来る。
いつもと違うのは、これが最後ってこと。