あ。俺、重症だ。
扉の向こう、広がるのは綺麗な青空。
校舎側の手すりに寄りかかり、頭の中に巡るのは馬鹿で頼りになる親友3人と、人懐こい笑顔が1つ。
卒業は別にどってことないけど、あいつ等と会えなくなるのは、ちょっと、…かなり、寂しい。
…やべ、泣きそう。
まぁ…いっか。
誰もいないし。
おかしいな。
卒業式なんかで泣かない派なのに。
一粒雫が零れたら、それは堰を切ったように溢れでる。
ハンカチとか持ってない。
今あいつ等来たら、これ、止められる自信ねーや。
はぁ、最後に翔にももう一回会いた…
「日向先輩!」
「うわぁっ」
背後から聞こえてきたのはまさに今考えてた人物。
ビックリして涙も引っ込んだ。