あ。俺、重症だ。
「あー、行っちゃいましたねー。」
あの後「バーカ!」というなんとも幼稚な捨て台詞を吐いて去っていった親友。
いやバカってあんた…。
小学生だってもっと語彙力あるだろ。
「我が弟ながら恥ずかしい奴だ。」
「頭は良いはずなんですけどね。」
「そういう翔くんは最近どうなんだい勉強のほうは。」
「下降の一途を辿ってます。」
「あかんやん。」
いつも思うけど、日向先輩とのお喋りはテンポが良くて好きだ。
「日向先輩、今仕事中じゃないんですか?」
「…そうでした。客呼ばないと殺されちゃう!それじゃ、また後でね!」
わたわたと店の中に引っ込んでしまった。