あ。俺、重症だ。
脳内大パニックな俺の脇をすっと通り過ぎ、また五月蝿い女子に捕まっている聖夜の袖を掴んだあの人。
……え?聖夜?
「ちょっと来な」
初めて聴いたあの人の声。
予想してたよりカッコいい、ハスキーな声。
ぶっきらぼうな話し方もまた一段とカッコいい。
って…!
そこも重要だけど、今は聖夜が呼び出されたことの方が大事件だ!
なんで聖夜?
あ、聖夜が後輩なのかも。
…それか、もしかしてもしかすると、聖夜が、彼氏とか?
…なきにしもあらずか。
もし聖夜があの人と付き合ってたらどうしよう。
今まで、他の男と付き合ってるかもなんてこと、考えたこともなかった。
聖夜か…
予想外だし、強敵すぎる。