あ。俺、重症だ。
「あ、日向ー!見て見て!この子が噂の小野寺くん!」
ぐいぐいっと俺の腕を引っ張って、4組の教室のドアのところに連れていかれた。
え、いや、俺は見せもんじゃないですよ?
てか今、もしかしなくても日向って…
「…美姫。困ってんでしょうがー。第一、1年生見せもんにすんなよ。可哀想に」
ひ、ひ日向先輩ーー!!!
俺の憧れの、もうそれこそ崇拝レベルで好きな日向先輩が4組の教室から出てきて、美姫と呼ばれた女子の頭をぺちっと叩いた。
「暴力反たーい。」
「はいはい。あー、1年生くん、なんか変な先輩でごめんね。なんか用事あった?」
…う、あ!俺に話しかけてるっ?!
な、なんか、言わなきゃ!
「あ、ああの、部活の、やつで…」
「あーそかそか。ちょっと待っててな?」
日向先輩が教室の中に入っていった。
……わーーーっ!!!
今、会話したよね?!ねっ?
会話だったよね?!
誰が何と言おうと、あれは会話です!
というか日向先輩の視界に入れただけで俺はもう嬉しすぎて窓から飛べそうです…!