あ。俺、重症だ。
「こんなバカ部長の方が困るってーの。今年のバスケ部は前途多難だな!どんまい新人くんたち!」
「うるせーし!…なにお前1人で来たの?淋しい奴だな。」
確かに周りに友達らしき人はいない。
「んな訳ないから。あたしはもう帰りたいんだけど、彩夏と美姫がまだ帰る気ないっぽくてさ。」
クレープ屋の方を指差す日向先輩。
その指の先にはクレープ屋の長い列に並ぶ2人の女子高生。
片方はこの間教室の前で俺に話しかけてきた先輩だ。
「ふーん…そんならオレらんとこ来たら?一緒にまわろ」
マジか!グッショブ部長!!
「んー…。んや、もう帰るわ。眠いし。」
……えー!
「は?あの2人は?」
「置いてく。ほんじゃ、バーイ。」
「気ぃつけてかえれよ。」
クレープ片手に唐揚げ屋の前に移動した2人組に声をかけ、日向先輩は行ってしまった…。
もう少しでちゃんと話せたのに…。