あ。俺、重症だ。
「でも、お馬鹿な大樹くんは、『違う人を好きになれば忘れられる!』と思い彼女をつくったところ、『やっぱり日向が好きなんだ…』と再確認したと言う、よくあるお話なのでした。」
なるほど。なんとも単純な、俺にとっては複雑な話だ。
「違うッ!オレは、ちゃんと絵美のことが好きで付き合ってんだ。忘れるためじゃないとは言い切れないけど…。」
「じゃ、浮気だ!」
「だから違うッて…日向は…ただの友だちなんだから…」
「なら、うだうだ言ってないで絵美だけを好きでいてあげないとなー。じゃないと…どっちにも捨てられンぞ。」
満面の笑顔で言う斗真先輩。
この人いじめッ子だ。
「そんなのオレが一番よく分かってる。オレは絵美が好きなの!日向は友だち!」
何の宣言だよ。
まぁ、なにはともあれライバルが居なくなったようだ。
よかったよかった。
部長相手じゃ勝てる気しないもん。
でも、今の話でいくと、日向先輩ってかなーり手強い…?