あ。俺、重症だ。
「あれ?日向、タオルは?いつも持ってるのに」
試合終わりで汗がだらだらな日向先輩。
確かにタオルらしきものは持っておらず、手にはスポーツドリンクのみ。
さっきから滴り落ちる汗はポロシャツの袖で拭いている。
「あー教室に置いてきちゃったー。」
「置いてきちゃったーって…お前な…汗ふかないと体冷えるぞ。差し入れとかされなかったのか?」
「差し入れは1人のもらったらみんなのもらわなきゃになるじゃん?かさばって邪魔になるから受け取らないことにしてんのさ」
「にしても、置いてきたならタオルくらい、」
「ダイジョーブダイジョーブ!大樹ってばおかーさんみたい!」
「おかーさんって!オレはお前の心配してだなぁ…」
「あ、あの!…これ、良かったら使ってください。」
部長の言葉を遮って、咄嗟に自分のタオルを差し出してた俺。