あ。俺、重症だ。
「マジでいいの?」
「どうぞ!」
むしろ使ってくださいお願いします。
俺を助けると思って使ってください。
「じゃー、借りよっかなー。」
にっこり笑って俺の手からタオルをさらっていく日向先輩。
…もう俺ダメだ。幸せでダメだ。
「あ、そーだ。これの代わりに、教室に置いてきちゃったタオルをキミに貸してあげよう!こんな暑い体育館でタオルがないのはつらいでしょ?」
「え、いや、そんなお構い無く!」
「いーからいーから。借りれるもんは借りておきなさい?ちょっと待ってて」
「え、…」
…あー、行っちゃった。
「翔、お前ばっかりいろいろズル…」
「大樹!てめぇ仕事サボって何してんだ!」
日向先輩が行っちゃって騒ぎ出した部長の後ろからバスケ部の先輩が来て、部長をさらっていった。
部長だけど同じ3年生にはまったく部長扱いされてないのが清架バスケ部の部長なのです。