成人しちゃっていいんですか
そんな歪んでゆく家族と真っ直ぐで。

優しくて素直で、泣き虫で。

弱くてでも人一倍も真剣な友達にあたしは巡り会えた。



だから偽ったままこの一年を過ごしてきたんだ。



だから彼に会ったのは神様の仕業かな?



彼は入学式からずっと屋上に居て、噂は上がる前からあったんだけど知らなかった。

出会ってなかった。



だから。



「家に帰れ。」



 ポタ



「ほらっ濡れるだろ風邪引くな弱そうでもう相手しないよ?」


や…

「やだッ」



雨が降った。


雨で、それに。



時間も知らないあたしには最初から暗かった天気が余計。暗くなって、先にあたしの家の前に彼が到着してたから文句が言えなくて。

黙ってた車内が意味もなくなって、悲しくなった。
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