成人しちゃっていいんですか
胸が苦しくて。

「…マ~ヤ」

「り、くっ」

しがみついて、彼の顔を見れないまま腕を手で必死に彼を掴み取った。

「言ったよね」

 びくっ

彼の低音ボイスがあたしを一瞬強張らせる。

「俺は泣くような女は要らないんだよ」

「くっ ふっ くっ……んくっ…りく…」

あたしは必死に涙を堪えた。
それでも堪えれば堪えるほど、抑えた涙は声と一緒に唇を震わせる。

(嫌われたくないのにっ!!)

「頼むから…」

「ふうッ!」

息を吐くと喉が痛むほど息が苦しくなった。

陸から離れたくない。

陸に嫌われたくない。

そう思えば思うほど涙が勝手に溢れて頬を視界を滲ませる。



「俺なんか好きになるな不幸に墜ちるな…俺は‥


とにかくもう寝ろ


食事の邪魔だから」


「り、く、り、くっり…!」



“イイカゲンニシロ”



「ごめんな、さい‥あ、あたし化粧落とすからっお願いだから」

「………」

「陸さん…?」

「あっ悪いね食べようか」

「はい…」
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