成人しちゃっていいんですか
「あたしにはマヤちゃんは変わったようにみえる」

えっ。

動揺するあたしに微笑んだ。

その笑顔は優しそうで、

「でもね?それはあたしも一哉も同じで、だから気にしなくていいです。ていうか気にしたらだめです」

夏海は陸に強い視線を向けて微笑んだ。

あたしが知ってる彼女がそこにいた。
夏海は、いつだってあたしの味方だ。

横で眺めるあたしは夏海の方へ腕を繋いだ手を伸ばした形で、彼に話す彼女を眺めていた。

「だからマヤを悲しませないでくださいあたし達はマヤがすきだけど‥それは貴方の役目だから……マ、ヤ、と一緒に居てやってください!!」
「………夏海…」

彼をみた。彼はまだ黙ったままだった。

あたしはひとり泣きそうになる。ここで泣いたら困らせることがわかっているから堪えて見守り続けていた。

彼がなにかを述べるのを願って顔を上げた。


彼は口許を緩ませて、頷いた。


< 193 / 213 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop