一生離さねぇぞ


その日の放課後―――。



「ねぇ、坂倉くん、私まだ学校の事よく知らないから…いろいろ案内してくれないかな?」




いや、俺椎と帰る約束してるし。



「俺さ、今日は…」


「なになに?優ちゃん学校案内してほしいの?俺がしよっか!!?」



ナイスタイミングなのは同じクラスの山本。




「だって、山本がしてくれるって!」




俺は嬉しくてすぐ帰ろうとした。




「待って、坂倉くん。」


は??


「ん?」



「私…、坂倉くんにしてほしいの。」




桜井の爆弾発言。



「きゃあ。だって、弘。」



しゅん…として帰って行った山本。



「や、ちょっと…山本?」




きっと下で椎が待ってる。



「俺さ、」


彼女が待ってるから



って言おうとした時。








「お願い。坂倉くん。」



そう言って一歩近寄って来た。



< 28 / 63 >

この作品をシェア

pagetop