一生離さねぇぞ
貧血事件
ある日の朝。
私は最初から貧血気味だった体を無理やり起こして学校へ行った。
ちゃんと薬も飲んだし、
大丈夫だと思ってたんだ。
ところが―――。
駅で電車を待っていた
その時。
地面が傾き始めた。
「もー無理…。」
地面に倒れて痛いのを我慢しようとして目をぎゅうっと強く閉じた。
でも、全く痛くなかった。
痛みの代わりに、ふっと爽やかな香りと温かい感覚に包まれたんだ。
「…おいっ…原、…中原!」
誰だろう…?
私を知ってる人?
声はどこかで聞いた事あるような声…。
「おいっ!中原!」
何度も名前を呼ばれて少し立てる様になってきた私
「――坂倉くんっ!?」
一気に正気に戻った。
どうしようっ!!
恥ずかしいよぉ…///
「お前、大丈夫かよ?」
心配?してくれた弘くん。
「あ、はい。もう大丈夫です!…迷惑かけちゃってすいません…。」
「いや…同じクラスだし、倒れそうなやつほっとけねぇし、……それにさ…」
どんどん弘くんの顔が赤くなっていく。
「……ん?……」
「中原の事、ずっと見てたし…。」
『ナカハラノコト、ズットミテタシ…』
何度も同じ言葉が頭の中に響いた。