一生離さねぇぞ

弘くんなんて…。



放課後―――。



弘くんからメールが来た。




『ちょっと用事が出来たから、先に帰ってて。ごめんな。』




用事?何だろう?
ちょっと教室戻ってみようかな…。




そして、私は階段を上がった。




ドンっ


「あっ、ごめんなさい。」


上から来た山本くんにぶつかった。



「あ、中原…、やっぱ弘ってモテるよな。」




彼女としては嬉しい言葉だけど、なんで今言うの?



「そう…だね。」



「まぁ、頑張れよ!」



「うん。ありがとう…」



山本くんは帰って行った。



そして私は、二年の廊下に着いた。



弘くんどこだろ…。



先帰れって言われたけど、どんなに用事で時間がかかったって、私は弘くんと一緒に帰りたいから…待っていたい。



そんな事を考えながら廊下を歩いていると、



見慣れた弘くんの後ろ姿と



一人の女の子の後ろ姿があった。






『やっぱ弘ってモテるよな…』



さっきの山本くんの言葉が頭に浮かんだ。




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